弁護士を諦めて就職活動

司法試験を諦めて就職活動

司法試験に合格するのって難しいですよね。

法科大学院（ロースクール）に通う必要がありますし、通わない場合は予備試験合格から目指すことになります。

受験回数にも制限がありますし、私の友人、知人も弁護士を目指していますが、最後の一回の試験を残して働いています。その一回で落ちるのが恐い、もう後がない…という心境のようです。

予備試験に合格できず弁護士を諦めたり、ロースクールを卒業しても合格できなかったり、様々な理由から弁護士を諦めて就職活動される方も多いのではないでしょうか。

私は以前、資格スクールで相談員として働いていましたので、司法試験を目指す受験生とも日常的に接していました。親が弁護士という受験生もいれば、40歳から法科大学院を目指している方もいましたね。

いずれにしても言えるのは、状況は受験生一人一人違いますし、弁護士だけが人生のゴールでは無いということです。難易度の高い国家資格試験に合格するには、人生全てを捧げるくらいの強い意志、勉強量、そして運が必要になります。

しかし年齢を重ねれば考え方も変わります。20代で弁護士を目指し、30歳までに合格すると目標を定めても、実際は途中で挫折することもあるんですよね。

私も元々司法書士を目指していましたが、難易度が高くて挫折したことがあります。

当時、二十歳そこそこで無職、実家にいたので勉強時間はたっぷりありました。資格スクールに通う余裕はありませんでしたが、それでも独学で合格できると思い、日夜勉強していましたが…司法書士試験の壁は厚かったですね。

そこで考え方を転換し、社会に出るための武器として行政書士と社会保険労務士を取得しました。司法書士学習で民法を勉強していたので、行政書士は3ヵ月間の学習で取得できましたし、そこで自信を付けたので、社労士は半年間の独学で取得したんですよね。

その後に税理士事務所で働いたり、経営コンサルタント会社や資格学校でも働きました。他にも資格を活かした仕事に携わってきましたし、資格学習の経験は決して無駄ではなかったですよ。

あなたと状況は違いますが、本気で弁護士を目指していたのなら、その経験を武器にすることは充分に可能ではないでしょうか。

勉強の習慣を活かして、もう少し難易度の低い資格を取得したり、すぐに就職活動を行っても良いですね。

たとえば宅建士の資格を取って不動産業界を目指したり、FP（ファイナンシャルプランナー）の資格を取って保険業界を目指しても良いでしょう。AFPまで取得すれば履歴書に載せやすいです。

行政書士はあまり就職に役立ちませんが、女性の場合は行政書士資格をアピールして弁護士事務所、司法書士事務所に勤務できることもありますね。社労士を取得して企業の人事、総務、労務部で活躍している方もいます。

他にも、法律知識を活かせる職場はありますし、まずは積極的な就職活動をおすすめします。

注意点として、プライドは捨てて下さいね。これは私の個人的な感覚ですが、弁護士や司法書士を目指している受験生の中には、『自分は難しい資格を目指している』という特権意識を抱えている方が多いように思います。

しかし就職活動において大切なのは謙虚さです。面接官に対して議論を挑んでも仕方ありませんし、謙虚な姿勢で履歴書を作成し、面接に臨んで下さい。

芯を曲げる必要はありませんが、会社（組織）で生きるために最も大切なのはコミュニケーション力、周囲との人間関係ですから、その辺りは忘れずに就活を行うと良いでしょう。